※レースの成績や出走表などについては、急な変更や発売中止などもありますので、念のため主催者発行のものと照合してください。
スタート分析
9R後に12R優勝戦6選手による2本のスタート特訓が行われた。昼前に雨はあがり天候は晴れ。9R終了時点では2メートル前後の向かい風と事前の予報ほど風は強くなく、気温は前日の同時間帯と同じ15℃となっている。
1、2本目とも進入で動きを見せる選手はおらず、穏やかな3対3の枠なり。本番でもピット離れでの優劣がなければ枠なりが濃厚だ。なお1本目は高倉と馬場がフライング、2本目は土屋のみがフライングのタイミングだった。
1本目でスリット付近の気配がよくみえたのは新開、馬場、茅原の3選手。新開と馬場のスロー勢は特に行き足が軽快で、ダッシュの茅原はスリット後の伸びもやや優勢に映った。2本目でよくみえたのは土屋と茅原。土屋はフライングでハナを切っていたこともあり多少の割引は必要かもしれないが、茅原とともに伸びは優勢に映った。新開は前ヅケによる深インを想定してか、100メートル前後の深い位置から起こしたこともあり1本目ほど目立たなかったが、悪くはなさそう。馬場も1本目ほどではないがまずまずの気配だった。高倉と平本は1、2本目とも目立つような雰囲気はなく、特に高倉は両サイドの新開と馬場に対してやや劣勢に映った。
直前の展示気配も可能な限りチェックいただきたいが、枠なりでスタートもそろうようなら新開の逃げが有力。ただ、高倉の気配がやや劣勢で壁なしのイン戦になる恐れもあるだけに、馬場、土屋のセンター勢の攻勢が波乱を呼ぶ可能性は一考したい。
出走表
記者予想
昨年の最多勝&最多Vに輝いた新開がGⅠ初奪取の絶好機を迎えた。予選2位の平本と1位の土屋が準優で2着に敗れ、同3位から準優10Rを逃げていた新開に優勝戦1号艇が巡ってきた。Wエースの60号機を手の内に入れて、足は三拍子そろった節イチ級。先月の蒲郡SGダービーは予選2位通過ながら準優1号艇で6着に終わり「あの失敗でGⅠでも思い切って走れるようになった」とひと回り成長している。直前の若松71周年(準V)からGⅠ連続優出を決めた福岡のホープが待望のGⅠ初優勝へ気迫のイン速攻を繰り出す。
出足超抜の馬場が強敵。昨年の当地ダービー王が準優再現のまくり差しでVを狙う。新開と機力双璧の土屋は4カドから自在に、地元の平本は全速戦で勝負。6枠を苦にしない茅原と流れがいい高倉も侮れない。
買い目
ゲスト予想コラム
元レーサーのここがポイント
まずは私なりの機力評価から。1号艇の新開選手の60号機は以前からエース級になるかなという動きをしていました。伸びはずっと〝◎〟でしたし、新開選手はそれ以外の足も含めてしっかり動かしてきた印象です。
2号艇の高倉選手の25号機は非力だったんですけど、8月のお盆戦で平本選手が立て直して優勝。伸びはあまりないけれど回り足はしっかりしていると思いますし、準優のように差し切れる足はあると思います。
3号艇の馬場選手の13号機は勝率こそ低いですが、初おろし間もない頃はよかったんです。私もとこなめのYouTube配信ではこの13号機を推していました。出足、回り足関係は勝率よりもずっとよくて、そのよさを最大限に引き出してきた馬場選手はさすがだなと思います。
4号艇の土屋選手の37号機は元々が伸び型のいいエンジン。土屋選手も特徴をうまくつかんでいますね。
5号艇の平本選手の29号機は優出メンバーの中での評価は低いですが、誰が乗っても中堅くらいには動く印象です。
6号艇の茅原選手の17号機は調整の幅が狭くて足色が一定しない印象。乗り手によって特徴が変わるんですが、茅原選手は出足も伸びも合わせてきた印象です。
ボートについても少しお話したいと思います。とこなめのボートはエンジンから半年遅れで更新されて、ちょうど優劣が出てくる頃。今年は特にボートの個体差があるように思いますし、新開選手のボート56はいい。あとは平本選手のボート24もいいですね。エンジンが非力でもボートのよさがそれを補ってくれることはよくあります。
進入は枠なりの3対3で落ち着くでしょう。順当ならエンジンが一番よくてボートもいい新開選手の逃げですし、スタートが横一線でそろうようなら内側が有利。ただ、最終日はお昼から強い向かい風が吹く予報。そうなると差しがセオリーの2コースは不利。3コースの馬場選手が〝おいしい立場〟になりそうで、まくり差しは要警戒ですね。地元でのスタートに慣れている平本選手も怖いですけど、馬場選手のほうが突き抜ける足はいい。
波乱のキーマンなら伸びがいい土屋選手。カドから質のいい全速スタートを決めて攻めていくようなら、平本選手、茅原選手も付いてくるでしょう。特に伸びがよさそうな茅原選手は差し抜けてバックで伸びたら面白そうです。土屋選手は新開選手が伸び返してくるようなら、先にいかせてまくり差しにチェンジしてもいい。馬場選手のまくり差しはもちろん脅威ですけど、私はそれ以上に土屋選手が怖い存在だと思います。
元レーサーのここがポイント
優勝戦メンバーの中では新開選手、土屋選手の仕上がりが特にいいとみています。新開選手はバランスがよくて、土屋選手はいつも通り出足中心にいい仕上がりです。あとは特徴はあってもそこまで差はない感じですけど、平本選手はいつものとこなめよりは出ていると思います。
予選トップだった土屋選手は準優でタッチスタートをいったんですけど、馬場選手に差されて4号艇になってしまいました。1号艇ならもっとチャンスがあったと思いますし、出足を重視するタイプ。センターで味のある選手ではないんですよね。あの準優は1周1マークで土屋選手がインから握るタイミング、馬場選手が3コースから握るタイミング、そして2コースの井上選手との兼ね合いも含めて馬場選手のまくり差しが決まるとみていました。
当然、新開選手もそのレースは見ているはず。1周1マークをただ気持ちよく回ってしまえば馬場選手に差されます。レバー操作で握るタイミングをずらすなど、工夫して回ろうとするでしょう。先月の蒲郡SGダービーの準優勝戦の1号艇で負けて、同じように2回負けたくない。スタートもしっかりいくはずです。
馬場選手の3コースからのまくり差しは2コースの選手が警戒してもなかなか止められません。2コースから差すには落として回らなければならないのですが、その落とす一瞬のタイミングを狙い澄ましてきますからね。そう考えると、僕の中では高倉選手がツケマイにいく可能性はあると思います。差しても新開選手までは届かず、馬場選手にも叩かれてしまう。最終日は差しに不向きな強い向かい風予報でもあり、イチかバチか握って出る確率はかなりあると思います。
差し想定の高倉選手がツケマイに出ると、馬場選手はどうしても一瞬差すタイミングが遅れるので、その外の土屋選手が先に差し込むことになってダッシュ勢にもチャンスがありそうです。平本選手は基本的にはまくり差し一択でしょう。土屋選手や平本選手が絞り込むような展開になれば別ですが、茅原選手は差し一択になるはずです。
順当なら新開選手の逃げですが、〝ひねる〟なら地元でいつもより出ている平本選手に注目です。賞金ランク的にもまだグランプリ当確まではいっていないようですし、地元GⅠで稼いでおきたいところ。とこなめは向かい風が強くなると突っ込まなければスタートが届かなくなるので、ハート勝負にもなる。ここ一番での風対応が違ってくることは地元勢のほうがより分かっていますし、平本選手がいけば茅原選手にも展開がある。大荒れの起点となるならここでしょう。
選手コメント