５日目の準優１１Ｒでは残念なフライングがありました。土屋南選手のチルト３度が周りをかき乱した部分もあったかもしれません。それぐらい、スタート展示から伸びていましたしね。
そんな波乱も経て優勝戦メンバーがそろいました。ここは何といっても守屋選手でしょう。４日目の６号艇で４着になりパーフェクト優勝は逃しましたが、逆に変なプレッシャーがなくなってよかったのではと思います。準優では周回展示を見て『インから先に回れば差されないな』と思いました。伸びもそうですが、それ以上に行き足とターン回りがすごくいい。サイドのかかりや前に押していく足がよくて〝出ている〟と思います。『スタート遅れ以外は負けないのでは』と思うほどで、そのスタートも準優では４５メートルのところで伏せ込んで見切っていました。選手には長年染みついた自分の勘というものがあるので、エンジンが出ているときのスタートの足と自分の勘を合わせることはできそうで意外とできないんです。そこが合わせられている守屋選手は大したものだと思います。進入も枠なりが濃厚で、優勝戦は潮が引く時間帯で乗りやすく逃げやすい。最終日は雨ですが、いいエンジンは気象変化にもあまり左右されません。さすがに守屋選手の優勝ではと思います。
ただ、〝絶対はない〟のがボートレース。そこで注目するのは西橋選手と實森選手です。まず西橋選手ですがここは差しはもちろん、勝ちにいくなら握っていく可能性もあるかな。守屋選手がターンミスすれば、出足がいいので差しが届く可能性もありそうですけど、ミスなく回られると厳しそう。守屋選手が１マークを落として回って待たされるようなら、握っていき切ったほうが〝ワンチャン〟あるかなと思います。
實森選手は準優の１号艇で２着。優勝戦は４号艇になりましたが、むしろ準優を勝って２号艇になるより、足的にもこのほうが勝つ確率は上がったように思います。少し伸びに振ってよりパンチを付ける調整とかにしたら面白そうですし、その辺りの仕上がりはレース間特訓（９Ｒ後に実施）でほぼ答えが出ます。現地にいるファンにはぜひ特訓の気配も見てもらえればと思います。宮島は外からのスタートが独特で難しいんですけど、地元の選手ならそこも見切っていけるのではと思いますしね。
長嶋選手は足的には正直６人の中で少し落ちます。それでも長嶋選手のことですからツケマイかまくり差しで勝ちを狙いにいくと思いますが、展開のまぎれがないと厳しいかな。そんな中で穴目というか、平高選手の２着ヅケに妙味がある気がしています。きっと１―２からは大人気で売れるでしょうし、〝イチかバチかのまくり差し〟がハマるかもしれません。岩崎選手は６号艇で前ヅケもないタイプなので、シンプルにスタートをいって最内を差すしかない。それでも準優ではいいツケマイをしていましたし、仕上がり的には侮れない存在だと思います。